S&P500やオルカン集中投資の人が米国株比率を下げる方法

アメリカ一強の時代なので、S&P500に集中投資している人も多いと思いますが、アメリカ市場が暴落したときに最も影響を受けるのが米国株に集中投資している人です。

オルカンにしろ米国以外のインデックスファンドにしろ、アメリカ市場が暴落すれば一緒に暴落するため、他国の比率を増やしたところで意味はないという意見もありますが、長期的に見たら米国以外の国の株を持っている意味は大いにあります。

現状では全世界株式(オルカン)の6割は米国株なので、アメリカ市場が暴落したらオルカンも暴落することになります。

他国の株を買ったところでアメリカ暴落に連れ安するのは目に見えていますが、ポートフォリオ内の米国株比率を下げておくことで、長期的に見たときにS&P500よりも高いリターンになる可能性はあります。

ゴールドや債券を買うことでリスク分散することもできますが、このページではNISAでS&P500やオルカンに集中投資している人が米国株比率を下げる方法をご紹介します。

目次

米国株比率を下げる方法

ポートフォリオ内の米国株比率を下げるには、米国以外の株を買えばよいことになります。

  • オルカンを買う
  • 全世界株式(除く米国)を買う
  • 米国以外のインデックスファンドを買う
  • 米国以外の個別株を買う

S&P500に集中投資している人は、全世界株式(除く米国)である楽天・VXUSを買うのがおすすめです。

日本株やインド株など、特定の国の株が上昇すると予想する人は、その国のインデックスファンドを買ってもよいでしょう。

オルカンに集中投資している人は、そのままオルカンを積み立てるのがおすすめです。オルカンの米国株比率は自動的に調整されるので、相対的に米国株が弱くなれば米国株比率が50%や40%になる可能性があります。

全世界株式(除く米国)を買う

個別に他国株を買うと、どこの国の株を買うかでパフォーマンスは大きく変わります。米国株比率を下げたいけど、特定の国の影響を受けたくない人は、米国を除くインデックスファンドを買うのがよいでしょう。

楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券を使っている人は、楽天・VXUSが購入できます。

SBI証券では楽天・VXUSの取り扱いがないため、代替商品としてSBI・V・先進国株式(除く米国)を買うことになります。

商品例利回り信託報酬
楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンド 楽天・VXUS16.03%0.2112%
SBI・V・先進国株式(除く米国)インデックス・ファンド17.11%0.1133%
利回りは2023/8~2024/7の年率

信託報酬はYahoo!ファイナンス、利回りはみんかぶのデータを記載しています。設定日が新しいファンドは利回り欄が「-」になっています。

楽天・VXUSは楽天証券でないと購入できません。SBI・V・先進国株式(除く米国)は、SBI証券でないと購入できません。

全世界株式と先進国株式は同じ商品ではありませんが、全世界株式と先進国株式でリターンに大きな差が出ることもないでしょう。

SBI・V・先進国株式(除く米国)の組入上位国は以下のようになっています。

SBI証券

米国以外のインデックスファンドを買う

米国以外のインデックスファンドとは、以下のようなファンドのことです。

商品例利回り信託報酬
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)16.36%0.143%
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)14.84%0.143%
SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・F(サクっとインド株式)-0.4631%
インデックスファンドDAX(ドイツ株式)12.84%0.77%
フランス株式ファンド16.86%1.661%
SBI・中国A株インデックス・ファンド0.02%0.4136%
利回りは2022/8~2024/7の年率

特定の国の代表的な指数に連動するインデックスファンドを買うことで、購入した国の経済が急成長したときなどにパフォーマンスがよくなります。

特定の国への依存度が高まるリスクがあり、信託報酬が高いファンドも多いので、ポートフォリオに組み込むときは注意しましょう。

S&P500集中投資の人が米国株比率を下げたい場合

S&P500に集中投資している人が、ポートフォリオ内の米国株比率を下げるには、以下のような買い方があります。

米国株比率を下げる方法
  1. S&P500+全世界株式(除く米国)
  2. S&P500+米国以外のインデックスファンド
  3. S&P500+オルカン

どのやり方でも構いませんが、オルカンにはS&P500が含まれているので、オルカンを追加してもパット見では米国株比率がわかりにくいかもしれません。

既にS&P500に集中投資している人が、少額の積立投資でオルカンを購入する場合、米国株比率を下げるのに時間がかかります。

おすすめの方法は、楽天・VXUSやSBI・V・先進国株式(除く米国)を追加購入することです。

全世界株式(除く米国)で米国株比率を下げる

S&P500に集中投資している人が、追加で全世界株式(除く米国)や先進国株式(除く米国)を購入する場合は、購入した割合に応じて米国株比率が下がっていきます。

ポートフォリオ全体の2割を他国株にすれば米国株比率が80%になります。

いくら分の他国株を追加すれば目標の割合になるのかは以下の計算式で求められます。

現在のポートフォリオ総額×目標の他国株比率÷目標の米国株比率=購入額

現在のポートフォリオが100万円分のS&P500だったときに、米国株比率を80%に下げたいときは以下のようになります。

100万円×20÷80=25万円

25万円分の他国株を買えば総額125万円となり、米国株が100万円、他国株が25万円で米国株比率は80%となります。

計算方法は他にもありますが、他国株を何%にしたいかで計算できるのでこれが憶えやすいと思います。

米国以外のインデックスファンドで米国株比率を下げる

特定の国のインデックスファンドを買って米国株比率を下げることもできます。

全世界株式(除く米国)と同様に、購入した分だけ他国株が増えていくことになります。

購入した国の株価が急上昇すれば全世界株式を買うよりも高いリターンになりますが、当然その逆もあります。

全世界株式(除く米国)を購入するよりもハイリスクハイリターンになるため、初心者の方は全世界株式(除く米国)を買う方がよいと思います。

オルカンで米国株比率を下げる

米国株比率を下げるためにオルカンを購入する場合は、オルカンを大量に買わなければなりません。

オルカンに占める米国株比率が6割の状態で、他国株比率を上げるためにオルカンを買う場合は以下のようになります。

S&P500とオルカンを3:1にした場合、米国株比率は90%になります。

100万円分のS&P500を持っているとしたら、追加で33万円分のオルカンを買わなければなりません。

S&P500とオルカンを1:1にした場合、米国株比率は80%になります。

100万円分のS&P500を持っているとしたら、追加で100万円分のオルカンを買わなければなりません。

S&P500とオルカンを1:3にした場合、米国株比率は70%になります。

100万円分のS&P500を持っているとしたら、追加で300万円分のオルカンを買わなければなりません。

このように、ポートフォリオの大部分がS&P500の人が、他国株比率を上げたいときにオルカンを買うのはとても効率が悪いです。

オルカンの米国株比率はその時々で変わります。そういった意味でもオルカンの追加で比率を調整するのは止めたほうがよいでしょう。

オルカン集中投資の人が米国株比率を下げたい場合

現状でオルカンを買うと、6割が米国株で、4割が他国株になります。4割を超える他国株を保有したい場合は、全世界株式(除く米国)や米国以外のインデックスファンドを買います。

米国株比率を下げる方法
  1. オルカン+全世界株式(除く米国)
  2. オルカン+米国以外のインデックスファンド

ポートフォリオがオルカン100%の人は既に4割が他国株なので、他国株比率を増やすにはたくさんの他国株を買う必要があります。

オルカンの米国株比率は自動的に変わる

オルカンの6割は米国株ですが、昔からそうだったわけではありません。米国株が値上がりしすぎたために、オルカンの米国株比率が上がりました。

NISA初心者はオルカンとS&P500のどっちがいい?

オルカンやS&P500は時価総額加重平均なので、時価総額の大きな企業の株が占める割合は大きくなります。

GDPで考えたときにアメリカはバブルと言われており、今後もし米国株が大きく値下がりするようなことがあればオルカンの米国株比率にも変化が見られます。

今後20年、30年とアメリカ経済の成長が右肩上がりとは考えにくいです。

オルカンを買っておけば、自動的にポートフォリオの米国株比率は変わるので、あえて米国株比率を下げる必要はないとも言えます。

オルカンに集中投資している人で米国株比率を下げたいと思っている人は、その点を考慮した上で、他のファンドや株を買うようにしましょう。

コロナショックのときは、短期間で元の株価に戻ったことや、米国株とともに他国株も下がったため、オルカンの米国株比率は変わりませんでした。市場が暴落したらすぐに米国株比率が変わるわけではありません。

オルカンと除く米国を4:1で買う

オルカンと他国株を4:1で買う場合、ポートフォリ全体の米国株比率は48%になります。

米国株比率を下げたい場合でも、個人的にはこれくらいの比率でよいと思っています。

米国株比率を下げすぎると、今後も米国株が強かったときに、S&P500やオルカンのリターンを大きく下回るので注意しましょう。

オルカンと除く米国を3:1で買う

オルカンと他国株を3:1で買う場合、ポートフォリ全体の米国株比率は45%になります。

オルカンと除く米国を2:1で買う

オルカンと他国株を2:1で買う場合、ポートフォリ全体の米国株比率は40%になります。

現状のアメリカの強さを考えると、米国株比率を下げるとしてもこれくらいが取れるリスクの限度かもしれません。

既にオルカンを大量に買ってしまっている人は、他国株を33%にするのは大変です。今まで通りオルカンのみで全然よいと思います。

オルカンと除く米国を1:1で買う

オルカンと他国株を1:1で買う場合、ポートフォリ全体の米国株比率は30%になります。

米国の株価だけ下がり、他国の株価が下がらなければ、オルカンやS&P500よりも高いリターンになります。

しかし、現在の世界情勢で米国株比率を30%まで下げるのは結構なギャンブルだと思います。

米国以外のインデックスファンドを買う

たとえば、オルカンと日本株とインド株を8:1:1で買う場合、ポートフォリ全体の米国株比率は48%になります。

オルカンと他国株を4:1で買う場合と同じ比率ですが、期待している特定の国がある場合は、このような買い方もありだと思います。

この記事を書いた人

竹内潤平のアバター 竹内潤平 代表取締役社長

ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。
カードローン、自動車ローン、住宅ローンを利用したことがあり、法人代表者として銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資でお金を借りた経験があります。
株式投資歴は20年以上で、現在は個別株投資やベンチャー投資をしつつ、NISAのつみたて投資枠でオルカン、成長投資枠で日経平均、サクっとインド株式、サクっと純金に投資しています。
FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。

運営者情報

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代表者 代表取締役社長 竹内潤平
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東京都新宿区西新宿3-3-13 西新宿水間ビル6階
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