NISAの積立額は毎月いくら?30代・40代・50代の平均投資額

NISAを始めるときに、毎月いくら積み立てるかで悩む人も多いと思いますが、余剰資金(余裕資金)を全て積み立てるのがおすすめです。

積立投資は、できるだけ早く運用額を増やすことで大きなリターンが期待できます。運用額が小さいうちは、家計を節約して入金力を上げることが大切です。

月5,000円でも1万円でも、やらないよりはやった方がよいですが、積立額が小さいと20年~30年経っても大きなリターンは得られません。

若い人や収入の少ない人は、投資資金を捻出するが難しいと思いますが、月3万円以上は積み立てていきましょう。月3万円積み立てられないのなら、そのお金は自己投資に回した方がよい結果が得られるかもしれません。

目次

世代別のNISA平均積み立て額

セゾン投信が公表したNISA利用者の平均積立額は以下のようになっています。

年代平均積立額
10代27,398円
20代33,561円
30代43,872円
40代46,504円
50代57,894円
60代74,205円
70代以上74,257円
セゾン投信

セゾン投信は、セゾン・グローバルバランスファンド、セゾン資産形成の達人ファンド、セゾン共創日本ファンドを運用しています。

こちらのデータは、2024年3月末時点のセゾン投信の定期積立実績のうち、NISA口座における積立額の平均値です。

20代~70代のNISAの平均積立額は5.5万円ほどになると思います。2024年から新NISAが始まったことで、平均積立額が大幅に引き上げられています。

NISAを含むセゾン投信の口座全体の平均積立額で見ると、2023年12月末時点における平均積立額は34,298円でしたが、2024年5月末時点では42,024円と大幅にアップしています。

家計診断・相談サービス「オカネコ」が発表したアンケート調査では、平均積立額は以下のようになっています。

年代平均積立額
20代45,465円
30代58,973円
40代61,703円
50代65,224円
60代63,444円
70代以上69,000円
オカネコ

こちらのデータは、新NISAのつみたて投資枠(旧積立NISA)が年間120万円まで拡大したことで、毎月の積立金額がいくらになったかを質問したものです。

セゾン投信のデータよりも20代~50代の積立額が大きくなっています。特に20代~30代の金額が高いです。

オカネコのデータでは、全体の平均積立額は60,689円でした。9~10万円積み立てていると回答した人が36.5%います。

回答者の3分の1が月9~10万円と回答しており、前年の同調査よりも+37,273円と大幅にアップしているとのことです。これだけ見ると違和感のあるデータですが、新NISA初年度ということで、短期的に積立額を増やした人が多いのかもしれません。

調査が実態からかけ離れている可能性

全てのNISA口座における平均積立額は公表されていません。メガバンクや大手証券会社を利用している人の平均積立額のデータも見つかりませんでした。

このページでは、2つのデータをもとにNISAの平均積立額をご紹介しましたが、これらのデータは実際の積立額よりも高くなっている気がします。

平均して月5~6万円積み立てているのは体感として高い気がしますし、アンケート回答者602人の3分の1が月9~10万円積み立てているというのはかなり違和感があります。

NISA利用者の老後資金の積み立てに対する目的意識が高いのかもしれませんが、一般的な年収の家庭でNISAに月5万円以上回すのは大変なはずです。

来年以降の調査結果を見てみないと何とも言えませんが、実態とはかけ離れた数字になっているのかもしれません。また、セゾン投信やオカネコを利用するユーザーは、一般的な人よりもマネーリテラシーが高く、毎月の積立額が多い可能性もあります。

平均積立額のデータがいくらであっても自分の積立額と比べる意味はありません。自分の収入や資産で、無理のない範囲で積立額を設定しましょう。

NISA利用者の年収や金融資産

平均積立額が多い理由として、単純にNISA利用者の年収が高いのでは?と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。NISA利用者の年収については、日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査」で公開されています。

日本証券業協会

NISA利用者の66.1%が年収500万円以下です。日本全体の年収データでは、年収500万円以下が66.4%なので、ほぼ同じ数値となっています。

アンケートに回答するような人の年収が高い可能性はありますが、NISA利用者は高所得者ばかりということはありません。

NISA利用者の金融資産に関するデータも公表されています。

日本証券業協会

年齢別のデータではありませんでしたが、裕福な人のみがNISAを利用しているわけではありません。

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模のデータを見ると、金融資産3,000万円以上のアッパーマス層、準富裕層、富裕層、超富裕層の合計割合は全体の22%です。NISA利用者のデータと比較して大きな差はありません。

NISAの積立額は月3万円以上がおすすめ

個人的な意見としては、月3万円以上積み立てられないのであれば、積み立てよりも自己投資に回した方がよいと思っています。

特に若い人は、月々少しずつ積み立てるよりも、自己投資して自身の商品価値を高め、生涯年収を増やす方を優先するのがおすすめです。老後資金のための積立投資は、30代や40代から始めても十分間に合います。

月5千円~3万円ずつ積み立てた場合の運用結果は以下のようになります。カッコ内の数字は元本です。

積立額10年20年30年
5千円77万円
(60万円)
205万円
(120万円)
416万円
(180万円)
1万円155万円
(120万円)
411万円
(240万円)
832万円
(360万円)
2万円310万円
(240万円)
822万円
(480万円)
1,664万円
(720万円)
3万円465万円
(360万円)
1,223万円
(720万円)
2,496万円
(1,080万円)

あたり前のことですが、1万円と2万円では2倍、1万円と3万円では3倍の差が出ます。

積立投資はできるだけ早く始めることが大切ですが、積立額が小さいと10年積み立てても大した利益は出ません。若いうちは収入を増やすことに集中して、収入が増えてから高額な積立額で積み立てを開始してもよいでしょう。

運用額が1,000万円以上あるような状態になると、積立額が月1万円でも3万円でもリターンに大きな差は出ません。始めのうちに運用額を増やしておくことで、その後数十年経ったときのリターンに大きな差が出ます。

オルカンやS&P500などの右肩上がりのインデックスファンドで積み立てる場合、基本的には早く買う方が安く買えます。

株安や円高などで短期的に損をする可能性はありますが、積立投資ならドルコスト平均法で購入することになるので、暴落時にはたくさん購入することができます。

長期的に見て右肩上がりなら、購入時よりも高い価格で売却することができるので、短期的な高値で購入した分も含め最終的に全てが利益につながります。

NISAの上限額1,800万円に達する年数

NISAの上限額に達するまでの年数は以下のようになります。

積立額年数
1万円150年
2万円75年
3万円50年
4万円37.5年
5万円30年
7.5万円20年
10万円15年
15万円10年
20万円7.5年
30万円5年

月3万円以下では1,800万円まで到達するのに50年以上かかるため、収入の増加に伴って積立額を増やしていくのが理想です。

月3万円、年率5%で50年間積み立てる場合、50年後の運用資金は8,000万円になります。この段階で月3万円追加してもパフォーマンスに与える影響はかなり小さいです。

毎月の積立額が小さいほど上限額まで達するのに時間がかかり、時間が経過するほど入金によるプラス効果が小さくなります。

運用開始が遅い人は月5万円以上積み立てる

積立投資は短期間では元本割れする可能性があります。十分な利益を得るためには20年以上積み立てるのがおすすめです。

運用終了年齢を70歳とする場合、50歳から開始すると運用期間は20年、60歳からなら10年になります。健康寿命を考えると80歳や90歳まで積み立てるのは現実的ではありません。

少ない積立期間で大きな利益を得るには、まとまった金額を一括投資するか毎月の積立額を増やすしかありません。

運用期間が20年なら月5万円以上、運用期間が10年なら月10万円以上積み立てるのがよいでしょう。

年齢運用期間理想積立額期待リターン
20代40年月2万円~2,000万円~
30代30年月3万円~1,500万円~
40代25年月4万円~1,200万円~
50代20年月5万円~850万円~
60代10年月10万円~350万円~

積立投資の利益は運用期間によって大きく変わります。上記は年率5%で運用できた場合の期待リターンを記載しています。

50代や60代から積み立て始める場合は、積立額が大きくても期待リターンは小さくなります。また、運用期間が短いほど損失リスクは大きくなります。

新NISAは非課税期間が無期限なので、売却する段階になって元本割れしているようなときは、運用期間を延ばすのも一つの手です。ただし、運用期間を延ばすことで損失がさらに増えることもあります。

毎月の積立額と運用成績

NISAで月1万円~30万円積み立てたときの10年後、20年後、30年後の運用シミュレーション結果は以下のようになります。

自分でシミュレーションしてみたい方は、「積立投資シミュレーション」と「一括投資シミュレーション」をご利用ください。

積立総額が1,800万円に達した時点で積み立てを終了し、その時点の資金で運用を続ける形になります。

月1万円積み立て

10年後20年後30年後
元本120万円240万円360万円
3%139万円328万円582万円
4%147万円366万円694万円
5%155万円411万円832万円
6%163万円462万円1,004万円
7%173万円520万円1,219万円
8%182万円589万円1,490万円
9%193万円667万円1,830万円
10%204万円759万円2,260万円

月2万円積み立て

10年後20年後30年後
元本240万円480万円720万円
3%279万円656万円1,165万円
4%294万円733万円1,388万円
5%310万円822万円1,664万円
6%327万円924万円2,009万円
7%346万円1,041万円2,439万円
8%365万円1,178万円2,980万円
9%387万円1,335万円3,661万円
10%409万円1,518万円4,520万円

月3万円積み立て

10年後20年後30年後
元本360万円720万円1,080万円
3%419万円984万円1,748万円
4%441万円1,100万円2,082万円
5%465万円1,233万円2,496万円
6%491万円1,386万円3,013万円
7%519万円1,562万円3,659万円
8%548万円1,767万円4,471万円
9%580万円2,003万円5,492万円
10%614万円2,278万円6,781万円

月5万円積み立て

10年後20年後30年後
元本600万円1,200万円1,800万円
3%698万円1,641万円2,913万円
4%736万円1,833万円3,470万円
5%776万円2,055万円4,161万円
6%819万円2,310万円5,022万円
7%865万円2,604万円6,099万円
8%914万円2,945万円7,451万円
9%967万円3,339万円9,153万円
10%1,024万円3,796万円11,302万円

月10万円積み立て

15年後20年後30年後
元本1,800万円1,800万円1,800万円
3%2,269万円2,630万円3,535万円
4%2,460万円2,992万円4,430万円
5%2,672万円3,410万円5,554万円
6%2,908万円3,891万円6,969万円
7%3,169万円4,444万円8,743万円
8%3,460万円5,083万円10,975万円
9%3,784万円5,822万円13,783万円
10%4,144万円6,673万円17,310万円

月15万円積み立て

10年後20年後30年後
元本1,800万円1,800万円1,800万円
3%2,096万円2,816万円3,785万円
4%2,208万円3,268万円4,837万円
5%2,329万円3,793万円6,179万円
6%2,458万円4,401万円7,883万円
7%2,596万円5,106万円10,045万円
8%2,744万円5,924万円12,789万円
9%2,902万円6,870万円16,264万円
10%3,072万円7,967万円20,666万円

月30万円積み立て

スクロールできます
5年後10年後20年後30年後
元本1,800万円1,800万円1,800万円1,800万円
3%1,939万円2,247万円3,020万円4,059万円
4%1,988万円2,418万円3,580万円5,299万円
5%2,040万円2,603万円4,241万円6,908万円
6%2,093万円2,800万円5,015万円8,982万円
7%2,147万円3,011万円5,923万円11,652万円
8%2,204万円3,238万円6,991万円15,094万円
9%2,262万円3,480万円8,239万円19,505万円
10%2,323万円3,741万円9,703万円25,169万円

この記事を書いた人

竹内潤平のアバター 竹内潤平 代表取締役社長

ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。
カードローン、自動車ローン、住宅ローンを利用したことがあり、法人代表者として銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資でお金を借りた経験があります。
株式投資歴は20年以上で、現在は個別株投資やベンチャー投資をしつつ、NISAのつみたて投資枠でオルカン、成長投資枠で日経平均、サクっとインド株式、サクっと純金に投資しています。
FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。

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